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大奥（４）：よしながふみ

[ 二次元娯楽：映漫アニゲー, 二次元的行間之隙間:Book]

大奥 第4巻 (4) (ジェッツコミックス)

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よしなが ふみ
白泉社

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男女逆転大奥も4巻目、将軍も四代の家綱から綱吉への激動の時代だ。時代は爛熟した元禄の世に向かってまっしぐら。愚鈍な雰囲気を持つ家綱とバリバリ鉈を振るった綱吉を対比させるかのように物語は進む。もちろん大奥目線だ。その大奥総取締、かの「お万の方」も、もちろん男だ。なんだか頭が痛くなってくるな……。
男子が少ないというSF的設定に、養子禁制の緩和や由比正雪の乱などの史実をたくみに組み入れ、「ああ、なるほど、そういう背景だったの……じゃないよ！」と、一瞬その気にさせられる説得力だ。
綱吉の時代は善政とよばれる部分と悪政といわれる部分が混在する。その二面性をあらわしているのが女将軍の「顔」だ。かわいらしい顔に描かれているが、よしなが氏お得意の、ぽってりとした唇をもつ綱吉の顔は、まさに「性格が顔に表れている」と言っても過言ではない。ただ単にSF的歴史群像ではない、正史から外れた物語に物語りたる血肉を与えている理由、やはりその絵の巧さにあるのだとおもう。
時代は元禄。その文化華模様と、その後にはあの忠臣蔵が待っている。水戸のご隠居はいるのかな？続きが楽しみなところだ。

投稿者 ogre : 2009年1月16日 00:20