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2008
01 21(月)

私的詩的至適ボーカロイド(2):melody...

[ 二半次元調之拘:Music, 五次元漂流:Net]


初音ミク成功の一因に、「けなげに唄う電子世界のボーカロイド」というキャラクタ(と、そのキャラクタを成立させるだけのバックグラウンド=世界観)を確立した、という点が挙げられるだろう。メーカが提供したのは「人気声優の声」とキャラ造形(イラスト)だけなんだろうが、それだけで、初音ミクというキャラクターはストーリーを持ち、バックグラウンドが与えられて命を吹き込まれた。
おそるべしはオタの妄想力、といったところか。

この曲は、そんな「ワールド」の一翼を担う作品だ。トランスのリズム、シンセブラスの叫び、ストリングの抒情、そしてマシンボイスによってストーリーが作られ、音楽を通じて「世界」を現出させている。そしてそれに打たれた「職人」が、「世界」を3DCGでもって描き出し、すさまじい出来のPV作成される。そこいらの凡百なビデオクリップなど吹き飛ばしてしまう完成度は圧巻だ。
もちろん、プロの作品に比べればテクニックや密度の点で文句の付けようはいくらでもあると思うが、果たしてこれだけ絵で魅せられる作品が、いまどきどれだけあるだろうか?

ソフトウェアやハードウェアの進歩がアマチュアのアイデアを形にし、プロとの垣根をどんどん低くしてしまった。特に、高価な器材や環境で「のみ」商売をしている「プロ」は、今後、どんどん駆逐されてしまうだろう。なぜって?正規社員(プロ)を雇うより、非正規雇用(アマチュアのバイト)の方が安くてソコソコよかったら、そうするだろう……?

まあ、どの業界でも同じ話なのだが。

投稿者 ogre : 2008年1月21日 23:56



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