« iLife'06 ファーストインプレッション|メイン|ご利用は計画的に »
01 25(水)
GOTH:乙一
[ 二次元的行間之隙間:Book]
ライトノベル出身である乙一氏の名を世に知らしめた作品、といっても過言ではないでしょう。本格ミステリ大賞を受賞したのが本作「GOTH」、文庫版は2分冊で出ています。(自分は基本的に文庫派なので、これも文庫落ちしてから読んでおります。とはいえ原著「GOTH―リストカット事件」は2002年の出版です。(ちなみに文庫落ちは2005年です。)
本格ミステリ大賞を取ったときの顛末はあとがきにも書いてあるのでこれも楽しみにしてください。かといって本気でミステリか、と構えて読むと肩すかしを食わされるかも知れません。
確かにミステリ的要素は少なくありません。叙述ミステリ的な要素が強い作品が半分ぐらいでしょうか。原著の表題作にもなっている「リストカット事件」はそのトリックなどが複雑なわけではありません。ミステリに慣れていない方でも軽く(まさにライトノベル感覚で)楽しく読めると思います。
一応、ミステリテイストなので中身についてはあまり詳しく紹介できませんが・・・
基本的には主人公と(異常な)犯罪者、という対比の物語で、しかも犯罪者の心理やバックグラウンドには興味の中心を置かないという視点。これも新鮮でした。(物語によってはちょっと踏み込んでしまっているものがあり、これには作者の実験的意図もあると思います。)
取り扱っているテーマが「異常な犯罪」、それも死体やら血液やら内臓やらがはみ出す展開ですので苦手な人にはちょっと、という所はあるかもしれません。(ライトノベル感覚が功を奏して読みやすくなっているとは思うのですが。)
本格ミステリとしては入門書といえましょう。文章も短く、量もないですし。
ライトノベル方面から手を伸ばすにせよ、ミステリへの手がかりにするにせよ、単純にするりと読める短編を求める向きに対しても、オススメできる内容だと思います。
なお、コミック化もされています。本編を読んでからの方が楽しめるかなー。
投稿者 ogre : 2006年1月25日 20:37
トラックバック(0)
トラックバックURL: http://www.the5thdimension.jp/cgi-bin/mt/mt-my-mod_12_track_back_ogre.cgi/379
GOTHはとてもおもしろかったです。
でも、なかなか理解できないところもありました。
いろいろと教えてくれませんか?
教えられるほどの事もありませんが(笑)。
主人公たちに共感できる、というほどではありませんが、どこか「GOTH」なモノに惹かれる、その気持は理解できなくもない、と思っています。