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2004
12 19(日)

大人のための文章教室

[ 二次元的行間之隙間:Book]

大人のための文章教室大人のための文章教室

作者の清水よしのりという人は、自分の中ではどうもバスティーシュ小説家というイメージが強くて(ジャック&ベティとかね)、実はその後に本人の作とは気がつかずに読んだ本がいろいろあったりする、幅の広い作家さんです。

その作者が「正しい日本語の書き方を」といって本を出す訳ですから、そりゃ中身はおもしろいわけです。ある意味、自分の手の内を曝しながらTPOにふさわしい文体というものを紹介していく。講義読本というよりは、読み物としておもしろく読めました。

特に「携帯のメールは古文の歌(和歌)である」というのにはついついうならされてしまい、現代の「文章のシチュエーション」とでもいうものに対する、作者の深い洞察に恐れ入ったりします。

逆に「ワープロを使うと堅苦しくなる」といった勘違い(?)もあったり。まあ、ワープロがペンの代用品であった時代でならイザ知らず、今の我々(少なくとも自分は)ペンとワープロ(PC)は別の「意味」を持った文房具であって、まあ、代替といっても自転車と自動車ぐらいの差はあるのです。(どっちが良いとか悪いとかは全く別の問題です。)

キーボードを打つ作業によって思考が止まることはないですし、口調が特に変わるというものでもないでしょう。それどころか思考の速度≒キータイピングの速度についてこれるノートPC、あるいはIMを探すというのは、ペンと原稿用紙で文章を書く人が手にあった万年筆と完璧な滑り具合の原稿用紙を探し歩くようなものです。まあ、この辺は時代の違いもありますし人それぞれなので、感じ方が違うのは仕方のないことだとは思いますが。

書いてあることそのものは小学校の作文の授業で習うようなことばかり(同じ接続詞を連続して使うな、とか、句読点の入れ方に注意しろ、とか)なので、先生の趣味でさんざ作文を書かされた身としては「んなこた当たり前のことじゃねぇかよ」と言いたくなることも一度や二度ではないのですが、それらが大人になるまで覚えているか、あるいは身に付いているかと言うことはやはり全くの別問題。もう一度、再確認してみるのも一興でしょう。(もちろん、このブログとてそう言った「お約束」を踏まえているなどとはとうてい言えない訳でして・・。)

様々な場面で応用できる、なかなかの良書だと思いました。

投稿者 ogre : 2004年12月19日 12:10



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