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2004
07 27(火)

村上春樹:雨天炎天

[ 二次元的行間之隙間:Book]

書籍名:雨天炎天
著者名:村上春樹
出版社:新潮社(新潮文庫)
雨天炎天?ギリシャ・トルコ辺境紀行

これほど読後感がすがすがしくない旅行記も少ないのでは無かろうか・・と思ってしまう、そんな本。

村上春樹が、自身の辿ったギリシャ・トルコの辺境をつらづらと書いているのですが、普通だったら読後に湧いてきそうな「ああ、いってみたいなぁ」とか「見てみたいなぁ」というのがあまりない(笑)。まあ、ギリシャの聖地をお遍路参り(それもギリシャ神話の聖地などではなく、おそらくキリスト教の中でもマイナーであろうギリシャ聖教の聖地)するってんだから、あまり興味がそそられそうも無いのも事実。たとえば外国人観光客がガチ徒歩で四国のお遍路参りをやり、その体験をガチ生で書いたらそれを読んだ外国人は「ソノオヘンロマイリシテミタイデ〜ス!」(←どんな外人じゃい)なんて絶対思ったりしないであろう、そんな感じ。

後半はトルコの国境・山間部地帯をイラクによるクルド人大虐殺直後に巡るという、考えようによっては自殺行為に近いのでは無かろうか?という旅行。一体、村上春樹にせよ新潮の編集者にせよ、なにを考えてこんな企画を組んだのだろうか?なにか、そこで作家村上春樹なら発見できるダイヤの原石でも見つかると思ったのであろうか?
終わり方も酷くいい加減、というか、「もう正直疲れたのでカンベンしてください」という感じにあふれている。(まあ、連載が終わったんだろうけど。)全体的に、「辛かった話」「怖かった話」「不味かった話」がメインで構成されているので、旅行記で心を海外に飛ばしたいわ〜なんて甘いこと考えていると失敗します。オススメしません。

まあ、考えて見りゃ「雨天晴天」とかじゃなくて「雨天炎天」だものなぁ。タイトルからしてつらそうだものなぁ。

投稿者 ogre : 2004年7月27日 00:00



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