06 08(火)
だからなんなんだ
[ 五次元的思考之蒙昧:Diary]
「小中学生の39%、ネット利用中「誰かを殺したい」」
という、なかなか煽りもすさまじいタイトルを目にした方も少なくあるまい。
あちこちのマスコミで報道されているその報道は、長崎の殺傷事件という社会的文脈から考えれば偏向したとらえ方をされても仕方があるまい。
そのようなことを前提に、ちょっと思うことがあったので取り上げてみる。
現資料へのリンク
大ざっぱに要約すると、15歳以下の男女についてインターネット活動中のコトについて質問したのだそうで、
「インターネットを利用していて頭に来た事があると回答したのは全体の66%」
「誰かを殺したいと思ったことのあるのは全体の39%」
なのだそうだ。
正直言って、少々驚いた。
少なくとも全体の3割は腹が立ったことがないし、6割は誰かを殺したいと思ったことが「ない」のだ!
調査したのはライブドア参加の調査会社みたいだがいったいどういう調査をしたのだろうか?
よろしい。ちょっと心を15歳に戻してみよう。
14歳だっていい。13歳だっていい。この際無礼講だ。好きな年齢に思う存分サバを読んでくれ。
最も多感な時期の小学校高学年、中学生、そんな時期。そんな時期に、普通に過ごしていて(「インターネット中」とやらでは「なく」!)「○○を殺してやりたい」と心にも思ったことがない、そう言い切れる人が10人中4人、いるだろうか? まあ、それはまだいい。もしかしたら僕の考え過ぎかも知れない。 では「腹が立ったことがない」という人がどれだけいるだろうか? 普通の生活の中で?
世の中、そんなに聖人君子の集まりなんだろうか。正直に告白するが、自分は小学校のころから殺したいと思った相手なんて枚挙に暇がなかったし、腹を立てたことがない、なんて冗談にも口に出せたものではない。
「殺してやりたい」程憎んだことはある。誰も彼もが嫌いで、「自分がいなくなった方が早いんじゃないか」と思ったこともある。今ここにこうしているのは、それらを実行にうつさなかったから、それだけだ。
この調査の結果の正しい読み方は、「腹を立てたことがない人が3割」ということを見て、
・「インターネット生活」では普段の生活より腹が立たない。(笑い飛ばせる?)
・この調査にはバイアスがかかっており、正しい調査とは思えない
のどちらかだろうと思う。それとも何か、別の解釈方法があるだろうか?
(もっとも、これだけのデータで何かを言おうとする僕の行為にもあまり意味がない。)
残念ながら、今回の結果についての調査機関側の考察はまだなされていない。
この「調査結果」がどのように解釈されるのか、その結果を待ちたいと思う。
そしてそれがどのようなものであれ、この調査結果を紹介したマスコミ諸賢は追跡報道をキチンとしてほしいものだ。
6/9 追記
リンク先の本文中に
「結果だけを見ると多くの問題をはらんだものとなっているように見えますが、本プロジェクトでは、表層的な結果だけを見て若年層の抱える問題を論じるべきではないとしています。」
という記述があるが、これは「表層的な結果」ですらない、と自分では思うのです。
投稿者 ogre : 2004年6月 8日 00:00
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