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2004
06 25(金)

最近、メールを見たのはいつだろうか?

[ 五次元的思考之蒙昧:Diary]

 最近、メールを見たのはいつだろうか?

 この文を読むような人なら、おそらくさっきとか、少なくとも昨日とか、まあとになくつい最近メールを読むか、チェックするぐらいはしたに違いない。
 ではあなたのメールボックス、普段は最近数通のタイトルが羅列されている、その一番下(あるいは一番上)にあるメールの事を覚えているだろうか?むろん、最新のメールのことを言っているのではない。最旧?のメールの事だ。

 以前、たまたま古いメールボックスを移行する事になり、送信簿も受信簿も合わせて一切合切を新しいメーラーに持ってきた。その時移行した分は、今でもひとつのメールボックスの中に溜められ、倉庫のすみに忘れられたむかしのアルバムのようにホコリをかぶっている。
 その中で一番古かったのは1998年の正月。おそらく冬休みを利用してその前のシステムから環境を乗り換えたに違いない。学生最後の年、論文でそれどころでなかったろうに(笑)、追い込まれると逃避してしまうのは今も昔も変わっていないようだ。そんな事を思いながら、順番にメールを繰ってみた。

 もう六年前。たった六年前。六年前の自分が、誰かに向かって今とそう変わらない事を書き、今はもうメールのやりとりもなくなった誰かの返事をうながしている。
 途中で消滅したメーリングリスト。流れていくタイトルの、ある瞬間に「発生」するメーリングリスト、[xxxxxML:0001]。今とは全く違う人たち、今も同じ人たち。きっと、アドレス帳の中身は半分以上入れ替わっているだろう。一度も会わなかった人、今も会っている人、もう会えない人。もう会わない人。みんながそこにいて、その中には自分もいる。今も同じ自分、少しだけ違う自分、永遠に変わってしまった、自分の中のある部分。そして永遠に変わらない、自分の中のある部分。

 過去のメールを眺めている。
 この中にいる、自分を含めた人たちは、次の六年後、今の自分たちの事をどう思っているだろう? 逆に今の時分を含めた人たちは、六年前の自分たちをどう思うのだろう? 当時の今、現実の過去。 僕には、このたかだか100MB程度のテキストファイルが、写真やビデオなんかよりもずっと「その時」のことを記憶しているように思える。手紙だってメールだって同じ事だ。むしろほんのわずかな、数行程度の気軽なメールの伝えるものが、短編小説のような手紙より多くを語る事もあるだろう。

 この先、これまで以上にメールを書き、あるいは受け取るだろう。せめて今からでも、それらを全て溜めていって、一生のうちにどれくらいの量になるのだろうか。数ギガか?数百ギガが?テラということもあるまいが、この先、ビデオメールが当たり前になればそれすら危うい。僕が死んだ時には、その全ての記録したメディアを一枚、お棺に入れてあの世へ持っていこう。死後の世界がどんなに長くても、きっと退屈しないことだろう。
[EOF]

投稿者 ogre : 2004年6月25日 00:00



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