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2009
05 13(水)

元祖一条流がんこらーめん八代目(末広町):アッサリ

[ ぶらぶら日記:Moblog, 麺丼之中是大宇宙:ラーメン]

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最近はコッテリよりもアッサリかなぁ、というのは先日も書いた話、なんだけどまあ、今日はもうちょっといろいろ書いてみる。
たとえばこのがんこらーめん、オープン当初は「アッサリ」と「コッテリ」の二種類しかなかった。違いは背脂の有無だけ。当初よりスープの味がよく分かるのはアッサリの方だと思っていたけれど、たっぷりの背脂がもたらす満足感はやはり捨てがたく、コッテリ3にアッサリ1ぐらいの割合だったと思う。その後「しお」が登場して、「脂で満足」という信念はアッサリ(笑)宗旨替えすることになった。なにしろ「夢にまで見る」味だった。「本格ラーメン」というものを、強く意識した出来事だった。

その後、背脂を半分だけ入れた「チョッテリ」が出てきたが、「どうせ食べるならコッテリだなぁ」という感じもあってあまり手は出さない。最近は他のラーメン店も食べることが多いのだが、自らのベースラインを確認するためにも定期的に「がんこ」に帰ってきている。他で醤油ラーメンを食べると、がんこでも醤油味の「アッサリ」「コッテリ」を食べたくなるから不思議だ。
以前は「醤油ラーメン」というと、醤油の匂いがわずかにするだけのダシ片鱗さえ浮かばないようなものが大半だったように思うが、最近の本格ラーメン店は「醤油味」をメインに据えることも少なくない。トンコツ醤油全盛の中にあって、スッきりした味わいの醤油ラーメンも、また格別なものだ。
とはいえ、やはりハズレもある。化学調味料で舌がヒリヒリするようなものも少なくない。そんなときはがんこらーめんを食べて舌を癒す。
透明なくせに濃厚で、薫り高い傑作の醤油ラーメンを食べることもある。そんなときはがんこらーめんを食べて味の違いをまた楽しむ。
そうして醤油味もたくさん食べるのだが、最近は圧倒的に「アッサリ」派だ。割合でいえば5:1ぐらい(「しお」を食べる分は除く)。

通い続けて十余年。こちらも歳を取ったということか。トータルのカロリーも気にするが、少々重たく感じるのも確かだ(それでも食べるが)。しかしそれ以上に「アッサリ」味の奥深さが分かるようになってきた、ということもある。舌が肥えてきた、といえば言葉はいいが(いいか?)、ようはまあ、時間をかけた、ということか(つまりはトシのせいだ)。

麺に絡んだスープの香りが口の中で広がる感覚は、コッテリ・トロトロ系のスープでは味わえないような鮮烈さだ。強い塩加減のインパクトは相変わらずだが、それがダシの味わいを見事に引き出している。扉を強引に押し開けるような力強さが、そこにはある。
最近はずいぶん薄くなってしまったが、ホロホロと崩れ落ちるがためにあえて冷凍・冷蔵せざるを得ないチャーシューの感触。しっかりと味の染みこんだ玉子は、箸で割ると黄身が微妙に流れ出るような、出ないような、ギリギリの半熟だ。コレステロールの摂りすぎと分かっていても。ついつい頼んでしまう罪作りだ。
スープまで平らげたときの満足感は、単純に腹がふくれた時のソレではない。誰よりも早く食べ終わるのは、決して時間がないからではなく、スープが冷め、麺がのびるのが惜しいからだ。いち早く丼を空にすることこそ、ラーメンとその作り手に対する最大限の礼儀であろう。もちろん、今日も、そうした。

なんてことを、毎回考えながらラーメンを食べてる。
……というわけでは、全然無いが。

投稿者 mob_ogre : 2009年5月13日 23:46



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