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11 17（月）
Boichi作品集HOTEL：Boichi
[ 二次元娯楽：映漫アニゲー, 二次元的行間之隙間:Book]
久々にメジャ誌に載ったハードSFではなかろうか。
読み切りの短編集ではあるので、細かなＳＦ考察や物語の練り込みが足りないことは仕方がないが、しかし、それでも一瞬、読む方を納得させてしまう説得力がある。
劇画風、と言えなくもないの筆致だが、キャラクターはいかにもマンガ／アニメ風であるし、コミカルな描写も印象的だ。それ故、絵柄の好き嫌いはあるかもしれない。エロマンガ出身のような（勝手な憶測（笑））、単にプニプニしているだけではない、質感のある人間像が妙にリアルだ。
短編集である。
表題作は週刊モーニングに掲載された「HOTEL」。地球温暖化が暴走した後の、そこに残るモノの物語だ。前半のSFお膳立て部分が、ついつい引き込まれてしまうが、それに比べると後半のジェットコースター的展開はちょっと駆け足すぎるか。尺が足りなかったんだろうな、きっと……。
地球温暖化の「最悪の結果のひとつ」をアリアリと描写して見せたのはスゴイ。もちろん、この物語に描写されるような事態に陥る可能性は低いのだろうが、しかし、そこに類するものがあるだろう。面白いのが、やはりモーニングに掲載された「全てはマグロのためだった」では、同じような世界観を共有しながら、その行く末をガラリと変えてしまっていることだ。この二つの物語の重なっているところは、本誌掲載時も思わず笑ってしまうところだった。
その他の作品は小品であり、「感動あるべし」的な所も鼻につかないでもないが、うまいことまとまっているし、ストーリーが与える衝撃はものすごい。
収録作「Stephanos」には、ちょうどモーニングで連載が始まった「ラキア」に繋がる、創世記と旧約聖書、そして黙示録にまつわるキーワードが出てくる。このへんも興味深い。
Wikipediaで作者Boichi氏を調べたら、ヤングキングでアクションものを連載中とか……。これは知らなかったな。単行本が出たら、読んでみたい。
投稿者 ogre : 2008年11月17日 22:46
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