« インテリア|メイン|超コンパクトUSB電源アダプタの交換プログラムに参加し損ねてみた »

2008
10 13(月)

底値は0円(ウチの親父様の迷言):Bottomless

[ 五次元的思考之蒙昧:Diary]

株がめちゃくちゃ安くなっていて、テレビでも新聞でもその原因について解説しているけれど、早い話がバブルが弾けて強烈な信用収縮がおき、カネまわりが悪くなった投機筋が現金を得るために手持ちの株やら債権やらを売りまくっている訳だ(売っている全員に話を聞いたわけではないから、これらは想像に過ぎないが)。コンピュータ(エキスパートシステム)による取引や、急激な株安がパニック売りを呼んでさらに下がる、という悪循環があるのではないか、と言われている。
大原則に従って「株価=会社の価値」と考えれば、そのうちあるべきところに落ち着くものと思われる。そうならない場合は、自由市場経済というある意味数学的なものが、人間の猜疑心、疑心暗鬼の前では脆くも崩れ去る=価値を失うということを示している。資本主義の行く末にあるべき(あるはず)だった社会主義→共産主義が先にひっくり返ってしまったのも、「かくあるべき」と信ずる最終形への理想を、人間の持つ権力やらなにやらへの渇望・感情がかき消してしまったからのように感じる。あれか、「こんなふうにしたい!」という要件があっても、予算とか技術とか納期とな難易度の問題で無難なシステムが仕上がるような、そういう話か。
もし資本主義が前のめりにぶっ倒れたら、その次を継ぐべき経済イデオロギーはあるのだろうか?マルクスの予言通り、資本主義がひっくり返った後にこそ、真の共産主義が来るのだろうか?(オバマが実は隠れコミュニストでした、みたいな話だったら笑うが)
しかしまあ、50年ぐらい前と違って「革命一発!」って雰囲気ではないので、そう変わるにしても数十年かかる話だろう。

それよりも、「景気が悪くなるから節約しましょう!」という声が気になる。個人の家計にとってみれば、株の下落が直接に影響を与える事はわずかだろう(影響を受けている人は残念でした、という話で)。企業の倒産・リストラで収入が途絶える、という話なら別だが、日本の企業がバタバタと雪崩を打って倒産する、というわけではないらしい(株で儲けようとしていた企業は残念でした、ということになるが)。
もっとも、そんな事態になったらコスイ節約なんてあまり意味がないと思うのだが。個々人の節約がそれぞれの家計に与える影響なんて大したものではないが、それ以上に、それが積もり積もって消費収縮に繋がるとなると、そっちの方が問題だ。「日本経済を支えるため、日本企業の製品をたくさん買ってあげましょう」という発想はないのだろうか。企業の方も、「ウチの製品は(原材料以外は)日本国内で作っていますよ!(だから高いけど、買ってください)」というやり方があってもおかしく無さそうだ。もっとも、不安を煽って視聴率を稼ぐのがマスメディアのいつもの手なので、仕方がないところか。しかし、その結果、モノを買わなくなってスポンサーに悪影響があったら、それはそれでどうするつもりなのか……。「家計の見直し!」「お得な情報!」を連呼するワイドショーの裏で外資系生命保険会社のCMが流れる状況というのは、ジョークにしては高度な感じがする。

投稿者 ogre : 2008年10月13日 17:57



トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.the5thdimension.jp/cgi-bin/mt/mt-my-mod_12_track_back_ogre.cgi/1666

コメントする