« 間違い|メイン|いい夜だ。 »

2007
03 22(木)

mixiで読み逃げ禁止とやらが流行っているらしい。

[ 五次元漂流:Net]

おとといあたりから一部の方面で取り上げられて静かに燃え上がっている話題が、ITMediaに掲載された

「mixi読み逃げ」ってダメなの?

というもの。
記事によれば、

 最近、読み逃げや踏み逃げを失礼だと考えているユーザーが増えているようで、mixi日記やプロフィールで「読み逃げ禁止」を堂々と宣言したり、読み逃げを非難する人も現れている。 (中略)  一方で「特筆すべき感想がなければ、コメントは残さないのが普通では」「読み逃げという言葉自体に違和感を感じる」「ROMることの何が悪いか分からない」と、読み逃げを容認する人も多く、“読み逃げ禁止文化”に対する困惑が広がっている。

のだ、そうだ。

自分もネット歴18年、HPを解説して10年経つが、実のところ、こういう話題が出てきたのは今に始まったことではない。いわゆる「パソコン通信」が拡大してNiftyServeなどのコミュニティに人が流入しだした頃や、インターネットが一般化し始め、個人の「日記サイト」「テキストサイト」に人が群がり始めた頃、同じような言説が出てきたように思う。ROM(Read Only Member……掲示板やサイトには来るが、発言したり感想を書き込み/メールしたりしない人)についての議論は、ネットに新しい「人口」が増えた頃、既存の住人、新規の住人それぞれから問題提起されてきたように思う。

既存の住人がBBSやサイトで一種のコミュニティを築いてきた場合、そこに新たにやってくる客(その多くがROM)を快く思わないだろう。逆に、新しくやってきたユーザが、あまりにもROMが多いサイトの現状を憂い、「正義の味方」を買って出てROM糾弾運動を始めることがあったように思う。
しかし、いずれにせよ、これまでこの問題は、「そうはいっても人口の大多数はROMだもの」という本質的な性質には対抗できなかった。たとえ1日に何千、何万ものヒットを稼ぐテキストサイトでも、感想をメールする人は数パーセントもおらず、ましてはそれが見ず知らずの他人からである可能性はさらに少ない。それがネットの世界での「常識」であり、当たり前であった。
ところが、mixiなど(の一部)では違うらしい。

mixiやモバゲーのようなSNS的要素が強いシステムの場合、その人のサイト(日記やプロフ)は、道路に面して開かれたお店のようなもの(一般のサイトはこれ。)ではなく、ある程度見知った仲間、少なくとも同じコミュニティを共有する仲間で構成されたマンションの中のようなものなのかもしれない。無断で人の部屋を覗くのはケシカラン、というわけだ。

その行動は、「そうしない」人にとっては一種滑稽にも見える。IT戦士は、このように述べる。

こういったユーザーは、「足あとが付いているのにコメントやメッセージがないとがっかりする」と言う。そのユーザー自身は、自分のページに付いた足あとをすべて踏み返したり、日記にコメントをもらった場合は、その人の日記を訪問してコメントを返したりといった行為を半ば義務として行い、相手が同じことをしてくれるのを期待しているようす。彼らにとっては「踏まれたら踏み返す」「コメントをもらったらコメントを返す」が当然のマナーで、無言で立ち去るのはマナー違反ととらえているようだ。

コミュニティを共有している人間は、当然(自分と)同じルールを共有しているものだと考える、なんともファッショな思考だ。もちろん、mixi内であっても、そのような意見は少数はである、と記事では書いている。

しかしまあ、mixiだけでなく普通のウェブサイトを持つ人の中にも「なかなかコメントを書いてもらえない」と焦り、時には怒る人もいる。小説を公開していて、「みんな読むけど感想を書いてくれない」と憤る人がいるのも、今に始まったことではない。
その人たちがどうなるか、といえば簡単だ。「コメント/感想なんてつかないのが当たり前なのだ」という悟りを得るか、「感想ももらえないならやめた方がましだ」と消えてしまうか、のどちらかになる。

話を戻し、ITmediaの記事を見てみると、こうある。

 読み逃げを気にするユーザーの日記などを詳細に読んでみると、リアルで会ったことがないマイミクとの関係に気を遣っているケースが多いことが見えてきた。
 見知らぬ人とマイミクとしてつながった場合、人間関係を保障してくれるのは、mixi日記へのコメントやメッセージ、足あとだけ。だから自分のページに足あとが付けば、必ず訪問してコメントやメッセージを残し、「あなたのことをマイミクと認めていますよ」とアピールするし、相手も同じようにコメントやメッセージを返してくれ、自分を認めてくれることを期待する。読み逃げされると「嫌われたのかな?」「マイミクと認めてくれてないのかな?」などと落胆するようだ。

なんとも本末転倒な話だと思う。自由でフリーな友人関係(必要のある時だけ連絡をとったりできる、気楽な関係)を演出するためのSNSというシステムが、お互いを縛り、メッセージを交換しあっていないとお互いを信頼できないような不自然な関係を作ってしまっている。

もしかするとシステムの問題ではないかもしれない。彼らは、オフラインの世界でも、「友人」と常にメールで連絡をとりあい、電話をし、休日はマックでおしゃべりをして、常に物理的・精神的接触による「関係」を維持したがるかもしれない。そしてそうやって「関係」を意地することでしか、友人関係を維持できないのではないだろうか。

今の若者の特徴?いや、そうとも言い切れない。自分としても心当たりがあるからだ(笑)。テンポラリな遊び中まではなく、人生の中でキャッチボールができるような友人は、ちょっとぐらい距離が離れていたからといって何の不都合もない(ましてや今は携帯もメールもあるので、物理的距離を心理的距離が乗り越えつつある)。もちろん、毎週のように呑みに行ったところで支障があるわけではないが。
……なんとなく恋愛関係のことを言っているようにも聞こえるが、こちらは、まあ、もうちょっと肉体的距離が重要だろう。

話がずれた。元に戻す。

「読み逃げ」を気にする人は、こんなことも思うようだ。

また、読み逃げを気にする人は、見知らぬ人から何度も足あとが付きながら、その人からのコメントやメッセージがないと「見知らぬ人に日記を覗かれている」と不安になる傾向があるようだ。

……だったら公開なんてしなければいいのに。「読まれると嫌」なものを、どうしてその辺に貼っておくのだろうか。公開してもいいような内容のものを、書いているのではないのか?普通は。謎だ。

まあとにかく、不思議な文化があることはとてもよく理解した。自分もmixiには参加しているが、平気でROMるし、よく知りもしない人をマイミクにしようなどとは思わない。それが気に入らない人がいれば、それで結構。
だからもちろん、このブログにも、コメントや感想を求めるものではない……。もちろん、あればあったで、楽しかったり励みになるのは事実なので、される方は是非していただきたい。されない方も、たまにはしてみていただきたい……などというのがこじれると、「読み逃げ禁止」に、なるのだな。

なんとなく、わかった(本当か?)。

投稿者 ogre : 2007年3月22日 23:32



トラックバック(0)

トラックバックURL: http://www.the5thdimension.jp/cgi-bin/mt/mt-my-mod_12_track_back_ogre.cgi/932

コメント(2)

ROMばっかでゴメンね
これからも適当にコメントします

お約束ありがとうございます……

コメントする