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08 09(水)
とある魔術の禁書目録(インデックス):鎌池 和馬
[ 二次元的行間之隙間:Book]
メディアワークス (2004/04)
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うんまあライトノベル。なんだかすっげぇでっかい世界背景があるらしい。主人公が住む「学園都市」は、その超科学力を駆使して超能力者を量産するための都市だし、その「科学」側の反対側には魔術を操る「魔術師」の世界があって「教会」がそれを管理しているとかなんとか。そういった(よくありがちな)世界背景はあまり表に出てくることはなく、続編があった場合の(そしてそれは実現された)伏線(あるいは伸びシロ)として用意されている感じ。物語はあくまで主人公と、その下に転がり込んでくる「インデックス」と呼ばれる少女、そしてその少女を奪いにくる魔術師たちとの闘争にフォーカスしているので、話が冗長にならず、わかりやすい。
超能力や魔術はおろか、紙の奇跡すら無効化する「幻想殺し(イマジンブレイカー)」の右手を持つ主人公。あらゆる禁書を記憶し、禁書目録(インデックス)と呼ばれるヒロインと、その設定は立っている。キャラ的にはちょっと主人公が呑まれ気味か。主人公の一人称的な三人称視点の記述で、主観と客観が入り混じるような感じがあってうまく伝わってこないところがある。もっと丁寧に書いてもらった方が好みかも。その辺でちょっと感情移入しにくいかもしれない。また、主人公の正義感の出所がよくわからない。敵に「独善者」とまで呼ばれるそのありようの根拠のようなものが伝わってこないので、その行動への理解が薄れてしまうところがあると思う。まあ、そのあたりのご都合主義には目をつぶったほうがいいのかもしれないけれど。
主人公を目の敵にするカミナリ少女(将来的にツンデレな予想)だとか、そのままフェードアウトしてしまったエピソードも多い。今後の伏線に期待、ということなのだろうが、続刊以降つなげにくい「ヒキ」にしているなぁ、と思う。ちょっと感動的な意味合いを持たせようとした「ヒキ」なんだろうけど、今後の足かせにならなければいいと思う(逆にうまく材料にすることもできると思うが)。インデックスの頭脳に秘められた禁書(名前が出てきたのが全部クトルゥフ神話系の魔道書だってのは何かの冗談か)とか、世界観の設定とか、今後の「ネタ」はいくらでもありそうだけど、どの程度有効に使うことができるか、今後の展開に期待である。というか、もう続刊が10巻まで出ているのであるけれど、実のところ読むかどうかは未定だ。少なくとも最優先ではないかな(でも続刊を見ると、帯のアオリがちょっと面白そうなんだよね・・・)。でも10巻まで出ているってことはそれなりに人気があるってことだよね。展開とか文体とか、変わってきてるのかな…。
どうでもいいけど、日本語に横文字のそれっぽいルビをふるのはやっぱり西尾維新氏の影響だろうか(そんなこと言うと怒られる?)。
投稿者 ogre : 2006年8月 9日 00:00
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