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2006
04 29(土)

イン・ザ・プール:奥田英朗

[ 二次元的行間之隙間:Book]

イン・ザ・プール
イン・ザ・プール
posted with amazlet on 06.04.29
奥田 英朗
文藝春秋 (2006/03/10)

松尾スズキの主演(怪演)で映画化された作品、だったと思う。オカシな精神科医が出てくるというので観てみたかったのだけれど、そういえば未見のままだ。DVD化もされているそうなので今度観てみるか。
と、思わせるほど愉快なキャラクターが満載の本作品。狂言回しにあたるのが精神科医の伊良部。かなりトンデモでまるで役に立たないようにみえて、訪れる「患者」たちがちゃんと治っているという不思議。奔放でマザコンで無茶苦茶でデブで変態な人格に描かれていながらも、その発言が時として確信をついているというのがまた変態的だ。結局、この医者が名医なのか単なる変態なのかは明らかにされない。(まあ、する必要もなさそうだ。)

実際の所「患者」の立場になってみたら笑い話どころではないし、事実神経症なりなんなりに悩まされている人たちにとってはバカにした話に思えるかもしれない。そういう危険性はある作品だ。それを踏まえても、失礼ながら、笑える本だ。

プール依存症や携帯依存症、陰茎剛直症に妄想癖。まあ、出てくる「症例」は極端なものばかりだがあながち「そんなのありえないよ」と言い切れない不思議なリアリティがある。島本和彦的に言えば、「ウソレベル」がかなり微妙なさじ加減に設定されている。だからこそキャラクターが映えているし、際だって変態的な伊良部の個性が強烈に感じられる。1話完結の短編集の形式をとっているので、書店で1話だけでも読んでみて、気に入ったら買ってみるのもいいかもしれない。

投稿者 ogre : 2006年4月29日 23:37



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コメント(2)

映画、友人から券をもらったので、観ました。
なかなか、面白かったです。
特に主演:松尾スズキだったのが、一番のポイントかと。
ただ、個人的には「映画じゃなくてDVDでも十分かも・・・」とも、ちょっと思いました。

最近、続き(というか最新刊?)が1冊でましたよね。
買ったまま、まだ読んでないんだけど。

最新作は「町長選挙」ですね。まあ、文庫落ちするのを待ちます…

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