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2006
04 04(火)

Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学:小沢健二

[ 二半次元調之拘:Music]

Ecology Of Everyday Life 毎日の環境学
小沢健二
東芝EMI (2006/03/08)

なにをかいわんや、「あの」オザケンの新譜である。アンテナを立てていなかったこともあるが、発売から一ヶ月近くもキャッチできなかったなんて、オザケンファンを名乗るには失格である。が、前作Eclecticから、実に4年ぶりだ。みんな、もう、新譜が出る事なんて期待していなかったんじゃない?と問うてみたい。

全曲新作。しかしそれ以上に驚かされるのが「全曲インストゥルメンタル」。つまり曲だけ。ボーカルなし。もう一度カギカッコをつける。「あの」オザケンボイスは、今回は封印だ。そんなアホな!レビューを見ても信じられず、再生するまで一体何が出てくるのか想像もつかなかった。

Eclecticは「球体の奏でる音楽」をさらに深化させたJazzyなものだったのから、なんとなく帰りは違う道を戻ってきた、というような感じ。聴いた第一印象は「アンビエント」。まあ、環境学なんて名前がついているんだから環境音楽なのはあたりまえか。あるいはアンビエントだからEcologyというタイトルを冠したのか、こればかりは本人に聞いてみないとわからない。"Ecology of Everyday Life"という言葉自体は、本のタイトルからとられたもの。どういう本なのかは、よく調べてないんですが。

Ecology of Everyday Life: Rethinking the Desire for Nature
Chaia Heller
Black Rose Books Ltd (1999/04/15)
売り上げランキング: 1,066,503

Eclecticが実直なまでにジャズに傾倒し、生音とアンプラグドな音にこだわっていたのからするとエライ方向転換に感じる。「おーい!オザケーン!帰ってこーい!」というファンの声が聞こえたわけではないだろうが、戻ってきたというよりかは直角に曲がったというところ。とにかくこれまた愚直なまでにアンビエント。シンセ・打ち込み系のリズムを多用し、ギターやベースの生音を合わせる。ギターは時としてエレキギターで、また、ストリングスがあらわれたりすると一瞬「昔の」オザケンがひょっこり顔を出した感じ。かと思うとオーボエやコンバス、ホーンが出てきて「Jazz好きは変わってないんだなぁ」と思わせる。「The River」と「The Sea」の主題が同じだったりする遊び心はオザケン風?

全編通して出しゃばらず、邪魔にならず、周囲にとけ込んで、それでいて主張してくる音楽。まさに環境音楽。とにかくまあ、ハマると突き詰めるてそれ一色になっちゃうんだろうなぁ、と改めて思う。この先オザケンがどんな方向に進むのか、一ファンとしてまた新しい楽しみが増えたのではないだろうか。ただまあ、いずれにせよ、オリジナルアルバムが4年間隔というのは、ちょっと、長すぎると思うのである。(忘れちゃうよ。4年も経つとね。)

投稿者 ogre : 2006年4月 4日 00:30



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