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03 19(日)
SPEED GRAPHER:仁木稔(原作:GONZO)
[ 二次元的行間之隙間:Book]
Amazy |
GONZO製作のOVAシリーズのノベライズ、らしいです。というのは残念ながらOVAそのものは未見なのです。でも文化庁メディア芸術祭の推薦作品にラインナップされているくらいですから、それなりのクオリティを期待してもよいのだと思います。(近所のレンタルビデオで入れてくれないかなぁ。(いや、そもそもレンタル可能かわかりませんが。))
さて、ノベライズは3冊にて刊行。それぞれの巻末に「OVAの○巻〜○巻まで」と書いてあるところから見ても、おそらく原作(?)に忠実なノベライズなのだと思われます。どの程度忠実なのかはわかりませんが。
日本の80年代バブルの原因が「バブル・ウィルス」による狂騒だというフィクションを基本に、新世紀の日本経済を仕切る天王洲グループ、その地下組織である「六本木倶楽部」が事件の中心として物語は回ります。六本木に居を構え、マネーを吸収し続ける姿は六本木ヒルズやライブドアをはじめとする「ヒルズ族」を念頭に置いたものでしょう。社会派フィクションのようにして始まった物語は、主人公のカメラマン・雑賀が少女のくちづけを受け、「ユーフォリア」として覚醒するに至って突如SFアクションストーリーに変貌します。「怪人」の刺客が一人ずつ送り込まれ、それを撃退しながらの逃避行はまさにアニメの物語手法。小説にされるとダラダラと話が続けられているかのように感じられます。(なんで戦力を順次投入して各個撃破されるのか、というお決りの疑問も浮上します。)2巻あたりで敵の総帥・水天宮の過去が語られるあたりなど、ちょっと説明調で読んでいるのが辛くなる感じのところもありますが、おそらくアニメで語りきれなかった部分を補完しているのでしょう。その割に、物語の鍵を握る少女・神楽が冒頭で見せる変貌の実態、のような、回収しきれていない伏線もあるように思います。
最終的に全部燃やしておしまい、的な大雑把なところがあり、ぼんやりとしたハッピーエンドも言いたいことがうまく伝わってこない感じがします。物語に何らかのメッセージ性を持たせたかったのか、単なる娯楽アクションだったのか、いまいちキレが悪い。アニメ原作という枷のせいなのかどうか、やっぱり一度見比べてみないと判断できない作品なのかもしれません。
とりあえずDVDの方も3巻までご紹介。先は長い。
果たして手を出したものだか…悩みます。
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Amazy |
投稿者 ogre : 2006年3月19日 23:00
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