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2006
01 30(月)

涼宮ハルヒの憂鬱:谷川流

[ 二次元的行間之隙間:Book]

涼宮ハルヒの憂鬱
涼宮ハルヒの憂鬱
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谷川 流 いとう のいぢ
角川書店 (2003/06)
売り上げランキング: 2,895

最近、ライトノベルよりの小説ばかり読んでいる。その中でも、今回は久々に正統的(?)なライトノベルを読んだ気がする。

世はライトノベルブームということで、大の大人が本屋で角川スニーカーや富士見ファンタジアや電撃文庫を買っても問題がない(?)時代になってきた感があり、大変よろしい。まあ、Amazonで買っちまえばそんな心配をする必要すらない。

全くもって大変よろしい。

というわけで「涼宮ハルヒの憂鬱」であります。なんでも角川スニーカー大賞受賞作品、という華々しい看板を背負っての登場であるからさぞかし頭から飛ばしまくってーと思ったらそうでもない。まあ、確かに主人公たるハルヒの「宇宙人、未来人、超能力者がいたら、あたしのところに来なさい。」と言い切って、それ以外の(一般的な世の中の、不思議でも面白くもない)事柄には見向きもしないエキセントリックな性格は主人公の面目躍如といったところではあるけれど、そんな不思議が世の中にゴロゴロ転がっているわけでもなく、もう一人の主人公にして語り部の「キョン」(こんな呼び名でも男子生徒だ)、ともども(少々ぶっとんでるにせよ)ダラダラとした日常が過ぎていって、「ああ、ひょっとして、本当に涼宮ハルヒが憂鬱なだけで終わってしまうんではないか・・・?」という不安が頭をよぎるのが導入部から前半。ところが、そこから急転直下キョンの周囲の人々が・・・とこれ以上はネタバレになりますで控えるけど、急展開がエスカレートして(キョンとともに)読者をグイグイと引き込んでいくリズム感は病みつきになりそう。

さて、問題はこの物語がシリーズ化しているところであって、さっきざっとネットで調べただけでも「溜息」「退屈」「消失」「動揺」「暴走」「陰謀」と6作ほど続いている。この「憂鬱」は、投稿作品として一発勝負で書かれたようなところがあるので、スターウォーズの一作目よろしく「これをハズしたらおしまいだぜ」的なてんこ盛り状態になっているので、果たして二巻目以降が同じテンションを維持できているかどうかが不安だ。なにしろ涼宮ハルヒは通常の学生生活における些細な事件など見向きもしないので、どうやってこのドタバタを維持したものか。幸い遅れて来た者の特典として続刊をジリジリしながら待つ必要はないので、取り急ぎ、続きも買ってきて読みたいと思う。

とかなんとか書いていたらアニメ化の企画も進行中なのだそうだ。知らないところで結構流行っているらしいのである。3年前の出版なんだけどね。

それにしても、クライマックスでいかにもという手段でキョンがハルヒを「説得」するのであるが、ベタな伏線が張ってあるのと「おいおいそれにしてもどっからンな話が出てきたんだよ」という気持ちの二重奏でなんとも複雑な気持ちに。でも何があってもハルヒ様のお心のまま、で片付けてしまうのだから、ある意味、物語的には最強のご都合主義である。そういうのが苦手な人には向いていないかも知れないが、ま、そういう方々はライトノベルを読んだりしなものと思うので問題ないと思う(えー

でもまあ思ったんだけど、ハルヒみたいなことって中学高校んときって思わなかったかなぁ。ちょうど、1999年が迫り来る年頃だったし、自分がそうでなくてもいいから、どっかに宇宙人とか未来人とか超能力者がいたら楽しいよなぁ、ってなことばっかり考えていたような気がする。うーむ、ハルヒはたしかにエキセントリックで、感情移入しにくいなぁって思ったんだけど実はそうでもないのかも。

あ、アマゾンレビューはあんまりよくないけど、コミックもあったので一応紹介しておくことにする。

涼宮ハルヒの憂鬱 (1)
涼宮ハルヒの憂鬱 (1)
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みずの まこと 谷川 流 いとう のいぢ
角川書店 (2004/09/01)
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投稿者 ogre : 2006年1月30日 13:05



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