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2004
07 05(月)

長谷敏司:楽園 戦略拠点32098

[ 二次元的行間之隙間:Book]

書籍名:楽園 戦略拠点32098
著者名:長谷敏司
出版社:角川書店(角川スニーカー文庫)

戦略拠点32098 楽園

昔からライトノベルはきらいじゃありませんが、最近は質の高いものがおおいですねぇ・・。しかも新人の、コンテストの金賞作品。世の中に才能というのはどれほど隠れているのでしょうか?

さて、そんな訳でネタに困った時の書評です(笑)
ネタバレ必至ですのでお気をつけ下さい。

遙か未来において行われる人類同士の星間戦争。身体のほとんどを機械化した兵士のヴァルガは、敵が必死になって守る謎の惑星に生きて降下する。そこで出会ったのは敵の兵士と生身の少女、マリア、広がる自然、地表に突き刺さる宇宙戦闘艦の墓標ー

そこはいったいなんなのか?「楽園」というタイトルが読者にも問いかけます。それは本当に楽園なのか? しかし、楽園には無いはずのほのかな秘密の臭い。それは最後に、徹底的な人類の横暴として突きつけられます。
登場人物は3人。その中でたった1人の生身の「人間」マリア。この楽園の天使。それが幼い少女の姿をしているのは、そこに秘められた真実の暗喩か、それとも商業的な問題か(笑)。

人は愚かで、残酷なものです。「楽園」の存在が、マリアの存在がそれを示しています。しかし、それだけではないはず。その向こうに透けて見えるなにかが、涙を誘います。

よい、話です。

投稿者 ogre : 2004年7月 5日 00:00



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