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06 16(火)
凪(渋谷):特製特濃豚骨ラーメン
[ 麺丼之中是大宇宙:ラーメン]
雨の降る昼下がり、おばちゃんが「今日はヒマでヒマで……」とぼやくところに久しぶりに訪問。本当に久しぶりだったのだが、いつの間にか博多らーめんの専門店になっていた。話によれば数ヶ月前に改装したのだとか。前はもっとこう、オシャレ系狙った、昼夜二毛作の店だったと思う。
茶濁したスープに特徴的な細い麺。「九州・博多風」のトンコツラーメンとしては普通だ。「固め」をオーダーした麺は、その通り適度に固い。特筆すべきはスープの「どろり」とした食感だ。
トンコツスープは、そのとろみをもって元々麺に絡みやすいものではあるが、しかしこのお店の感触はさらに独特だ。スープに舌触りが、のどごしがある。そう……「天下一品」の、あのスープを想像してもらえるとわかりやすいだろうか。
全部食べきって、どんぶりの底にたまった残滓をなめてみればわかるのだが、おそらくこの「ドロリ」の元は骨の細かな粉だ。おそらく、ミキサーでトンコツを粉砕する手法をとっているのではないだろうか(最近「ばりごく麺」や「ラーメン発見伝」でも取り上げられている手法だ)。非常に細かい粒子なので、網などでは濾すことができない。丹念に裏ごしするぐらいしか方法はないだろうが、ラーメンスープの量を裏ごしするというのは、実際問題として厳しいわけで……。最後に残ったスープは、正直、粉の食感があまりに強くてスープを飲み干す気になれない。
しかしまあ、トンコツをパウダー状にして使うというのはそれなりに手間暇かかった工程なわけで、それに見合うだけのうまみはきっちりと抽出されている(煮込むのとは、そもそも味が異なってくるイメージ)。その絡みやすいスープの特性とあいまって、しっかりとした味わいを感じられる。しっかりと下処理をしているからだろうが、スープそのものに臭みはほとんど無い(人によってはこれがもの足りない、という向きもあるが)。チャーシューとネギのトッピング。チャーシューはやや大きめだ。トロリと旨い。「特製」は、チャーシューの増量と煮卵のトッピングがつく。
高いレベルを維持しているが、全体的に手堅くまとまっている印象もある。一点、独特のスープが異彩を放っていて、人に説明するときにとてもラク(笑)。話の種にはなかなかよいと思う。美味しいし。
投稿者 ogre : 2009年6月16日 08:15
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