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2008
11 15(土)

アリとキリギリス:The Ant & the Grasshopper.

[ 五次元的思考之蒙昧:Diary]

不景気なので倹約をしよう、と、朝からキンキン声の「経済評論家」とやらが叫んでいる。まあ、職を失うような事態になれば大変な倹約が必要だろう。しかし、多少給料やらボーナスが減ったところで、1円を気にするような倹約を奨励するというのは、どうだろうか。
以前にも書いたが、無闇に危機感を煽って商品の購入意欲を減退させることは、ひいては経済全体の減速を招くことになる、というのは以前も書いた。。貯金が増えればその分銀行が潤って貸し出しが増えるのが道理のハズだが、そもそも会社が儲かっていなければ(儲かる要素が少なければ)貸し渋りにもなるというものだ。金融という合理のある頂点に理性的な判断をし、感情的にならない必要がある。究極には、コンピュータが全ての判断をするのが論理というものだろう。政治家の口利きとかも、余計な感情だ。
マスメディアが危機感を、不景気を煽るのは、そのスポンサーには少なくとも良くない事態だ。だったらスポンサーはそういったメディアから降りればいい。さすがトヨタ会長、いいこと言う(笑)(←もちろんこれは皮肉だ)。

話がずれたが、景気が悪くなったから、と言ってそれで倹約を始めるような事態を、イソップ童話になぞらえて「キリギリス」と呼ぶ。夏の間に(景気がいいうちに)冬の蓄えをしておけばいいものの、コツコツとためるアリを見て笑っていたのが、キリギリスだ。倹約を叫ぶ経済評論家が、景気のいい時に「貯めておくように」と言っていただろうか?(まあ、景気が良かったことがあったのか?というのは別として……)主婦にFXでも勧めていたのが豹変していたらまた面白いのだが(評論家とやらの発言の変遷を追っかけて研究すると、面白いかもしれないな)。
先日、友人と話していて、「でも日本人はみんな、自分のことをアリだと思っているよね」と言われて、ああなるほど、と思った。吉宗の昔から、質素倹約が美徳であるかのように言われているけれど、それにしたって、もう財政の尻に火が付いてからの事だしね……。

でも実は、バブルの時に懲りたのか、大手銀行やら企業の持つゲンナマの量はこれまでにない量だという。会社はアリとして質素倹約に励んできたのだ。1兆円利益があったからといって、社員の給料が倍になったり、派遣社員を直接雇用に転換したりはしなかったのだものな。

イソップ物語は、アリが善人であってキリギリスが悪人の立場だ。しかし実際には悪人がアリで善人がキリギリス? なんかまあ、どうでもいいか。

投稿者 ogre : 2008年11月15日 22:59



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