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2008
07 30(水)

シャドウ・ダイバー ―深海に眠るUボートの謎を解き明かした男たち:ロバート・カーソン

[ 二次元的行間之隙間:Book]


夏休みの旅行用に買っておいたのだが、ちょっと読み始めたら止まらなくなって、一気に読んでしまった(笑)。ハードカバーの文庫化。

大西洋で発見された、沈没した第二次大戦時のUボート。その謎を解くべく、最高のレック・ダイバー達が人生を(時には生命そのものを)賭して挑む。もちろん、「沈黙の海へ還る」の主人公であったラウス親子も登場する。

この本は「事実に基づいたフィクション」ではない、純然たるノンフィクションだという。その割には敵対するチームの、片一方しか取材していなかったり、歴史回想シーンを(伝聞にもかかわらず)見てきたように書いたり、といったジャーナリズム的ではないところもある。そういうところに目をつぶれば、ミステリーとしても十分に通用する、続きが気になって仕方がない、刺激的な物語だ。

自分などは一般的なファン・ダイバーに過ぎないし、彼らのようなダイビングスタイルには全然共感を覚えない。しかし、未知のものを解き明かし、そこに眠る死者達の尊厳を回復しようとする意志と努力には尊敬すべきものがある。

果たして、人生に価値を見いだせる人間はどれほどいるのだろうか?
そんな問を突きつけられたようにも感じるのだ。
(そういうところも、かえって、ウソくさく感じるところなのだが(笑))

沈黙の海へ還る  ザ・ラスト・ダイブ (光文社文庫)
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光文社
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投稿者 ogre : 2008年7月30日 23:55



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