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2008
07 14(月)

学習と進化の成り立ち-Necessity is the uncle of evolution.

[ 五次元的思考之蒙昧:Diary]

電車の中で隣の人が読んでいた本が、「全部選択するにはCTRL+Aが便利」なんてのが延々書いてあるようなハウツー物だった。次のページは「CTRL+C,X,Vで簡単編集!」って感じの章だ。
そういう本って、どれくらいあるのだろうか。本屋に行くと、相当な種類出ているような気がするので、それなりに「売れる」ジャンルなのだろう。
本を買って勉強しよう、という姿勢をどうこう言う気はないけれど、役に立つかどうか、という観点からすると個人的には疑問だ。

いくつもの文書をあれこれ推敲するなかでCTRL+C(あるいはX)を覚えるのだし、クラッシュの恐怖に怯えながらCTRL+Sが自然に身についたものだ(でも時々忘れる)。
他方で、そんなこと(ショートカットとか)を知らなくても、マウスやその右クリックだけで恐るべき生産性を叩き出す人もいる。それは手段の問題なのではなく、最適化の結果なのだろう。なんだか進化論の話をしているようだな……。

その最たるものがカナ入力だ。理論的にはローマ字より高速入力が可能であり、実際、卓越したカナ入力者のタイピング速度は音速に達する(嘘)。
カナは50音あり、キー配置の点では極端に不利だ。しかしユーザ側の最適化の結果、一文字あたりのタイプ回数の少なさ、という利点を最大限に発揮することが可能だ。カナ入力という環境(=方法)に特化したその姿は、あたかも水中生活に適応したイルカのようではないか。
その逆を行って、最高の入力パフォーマンスを得るために特殊なキー配置とキーバインド、という新たな「環境」を持ち込んだのが親指シフトだが……まあ、絶滅寸前な訳だ。

まるで人類のことを言っているようである。

投稿者 ogre : 2008年7月14日 23:16



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