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05 14(水)
ウィンナーとワルツを(5日目・その3):ウィーン市内観光・見学ツアー
[ 旅行記:Travel]
バーデンから戻ってきて、15時からオペラ座の見学ツアーが待っていた。オペラ座のチケットが手に入らなかったのは仕方がないとして、まあ、後学のため?
LEXUSの銘板がお出迎え。トヨタは毎年1億円を寄付しているそうだが、1兆円儲けている会社にしてはずいぶんと控えめだ。その周辺に、各国から集まってきた人々が群れをなしている。
日本語ガイドは15時出発だ。この時間は変わるかもしれないから注意した方がいい。オペラ座の西入口?向かって左の入り口あたりに時間が出ている。ツアーエージェンシーに確認するのが手っ取り早いだろうが、最終的には自分で得た情報が確かだ。この日も……いや、それはまた後だ。
写真取り放題のツアーが嬉しい。やったらめったら駆け足なのは、まあ、仕方がないか……。
オペラ座の座席に座れただけで大感激、という人もいるようだが、やはりオペラ座ではオペラを見ないといけない。もっとも、建物そのものの威容自体は否定しない。ぱっと見たところ全く広さを感じさせないのだが、それだけ密度が濃い、ということか、音響を主体に設計した結果なのか。ステージ脇の席なぞ、殆ど見えないような位置にある。それでもそんな席にでも、ちょっと小銭で入場できるのだから、なんというか、そういう文化に対する土台が変わってくるのは当たり前というものだろう。芸術は大衆のものだ。だから大衆に対して優しくなければ行けないと思うのだが、日本ではどうだろう。単に行かないから敷居が高く思えるだけか?それもあるなー。
ちなみに、新国立劇場の6月上演「椿姫」は、5回の公演でチケットは6,300円から。3月から発売しているので、当然、今、この時点で観たい、と思ったらヤフオクに出向くしかない。さしあたってのチケットを片っ端から買い、行けるときは行き、行けなければ誰かに譲る、という作戦をとるしかない。
まあ、やっぱり、最初から行こうと思わなければなにも始まらない……でも行ってみたいと思ったとき(例えば今)はチケットがない……半年先の予定なんてわかるかよ……という流れに陥る事って、多くない?僕様だけ?
あちらにはあちらの文化がある、というだけなので、なにも「日本でオペラを毎日やってないのはイカン!」という事が言いたいのではない。思い立ったときに気軽に(例えば映画並には)、というシステムがあれば、観劇だろうがクラッシックだろうが裾野が広がると思うのだが。
話がそれた。
オペラ座見学がひけたあとは、市電に乗って美術史美術館へ。木曜日は夜遅くまで開館しているというのでゆっくり見れた(後からするとこれが……)。
建物自体、こんなに豪華でどうするよ!?という感じの立派さなのだが、収蔵されている作品群も、それはそれはすさまじい。
単に絵画や塑像が置いてあるだけではなく、エジプトやローマの発掘品も数多い。これらを歴史的遺物というより「美術」としているというのが興味深い。
絵画のエリア以外は撮影が可能。しかし、やはり、というか、当然というか、本当に語りたいのは絵画のエリアだ……。
ピーター・ブリューゲルスの「バベルの塔」
ラファエロ「草原の聖母」
そしてフェルメール「絵画芸術」。
とにかくすべてを書いているときりがないし、書いたところで意味がないような気がする。全ての絵に見ほれていたらとても時間が足りない。一番印象に残ったのはフェルメール。前世紀の終わりに修復され、Wikipediaに乗っている印象とは、全く違う。際だったドレスの青、カーテンのドレープ、地図のしわの陰影、全てが生き生きと迫ってくる。それを、本当に間近で見ることが出来る。近くで観て、また離れてみて、模写をする小母さんに「遠近法が狂ってますよ」とツッコミを(心の中で)入れつつ、帰る前にもう一度戻って観た。この絵を観るためだけにもこの街に来る意味があった、そしてこの絵を観るためにこそまた来よう、そう思える一枚だ。そんな絵が、多分、世界にはまだたくさんあるに違いない。そして、絵だけではなく、音楽も、風景も、同じようなレベルのものがあるはずだ。もちろん国内にだってある。そして世界にもその数倍はある。
一生のうちに、いくつ、そういう出会いがあるだろうか?
出会えるだろうか?
そんな感傷に浸りながら、残りの時間を隣の「自然史博物館」で過ごそう、と、後ろ髪を引かれつつ美術館を後にしたのだが……
明るいけど、この時間がまさに18時半。美術館は木曜日だけど、博物館の閉館時間が遅いのは水曜日なんだそうだ。なんだよ!じゃあもっと美術館を観たかったし、もしくは先に博物館に来るんだったよ! ガイドの人は「木曜日は遅くまでやっています」と言っていたけれど、それは美術館だけのことだったのか、それとも本気で間違っていたのか。いずれにせよ正確な情報が伝達されていなかったことに猛烈に腹が立ち、自分で確認しなかった事にさらに腹を立てた(地球の歩き方には書いてあった)。
旅は、時間が限られているからこそ、情報が大切だ。様々なガイドブックがあり、ネットで情報が収集できるからこそ、なおさらその重要さがわかり、悔しい思いもひとしおだ。まったく、これには懲りた。
時間ができてしまったので、翌日行くつもりだったサンクト・ステファン教会に。ウィーン最大の教会だ。なにしろ、ウィーン中から見えるように、と高く作った尖塔が……修復中だった(笑)。
遠目にもわかっていたが、近くでみるといよいよ電波塔のようだ。ちょうど東京タワーの上の方のような……。
ミサの最中、ということで内陣の見学は不許可。見学の時間が時計で示されている。かなり限られた時間しか見ることができないようだった。
さて、散々歩き回って小腹が空きました。
ホテルの裏手で適当な店に入ったら、スペイン料理店だった(笑)
ウィーンまで行ってスペイン料理……そういえば表の看板、あれ、スペイン国旗じゃない……と思ってたら、メニューと一緒に日本語の雑誌の切り抜きが出てきた(笑)。「ウィーン交響楽団のメンバーも通うオススメのお店!」だって。うわー、それじゃ僕様たちすっかりミーハーみたいじゃない!そういうつもりじゃなかったんだけど……。
おとなしくパエリヤを注文したが、決してパエリヤではない「何か」が出てきた(笑)。オーブンで焼いてないんだな。きっとフライパンだろう。だからコメの水分が抜けきってなくてだな……。でもまあ、そこは中欧風のアレンジ、と思えるくらいには味は悪くなかった。ムール貝が1枚しかついてないのは、それしかなかったから、だってさ(笑)
というわけで5日目はおしまい。あと2日とちょっと。
それではおやすみなさい。
投稿者 ogre : 2008年5月14日 02:58
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