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2008
03 04(火)

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生:入間人間

[ 二次元的行間之隙間:Book]

嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん 3 死の礎は生 (電撃文庫 い 9-3)
入間 人間
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どういうワケかバレンタインネタ。話の展開が苦しくなった時に新キャラを出すというのは常套手段とはいえ、ずいぶんアクロバティックだよなぁ。
そもそも登場人物がみんな壊れている中で、なにしろまーちゃんの壊れっぷりはさすがであるのだけれど、まーちゃんが直ってしまったら物語が屋台骨から崩れるわけで、と言うからにはまーちゃんは壊れ続け、みーくんは嘘を吐き続けなければいけないという救いのないループ。救いがないことで成立しているから、だんだんキツくなってきた(笑)。

「動機があってもそれを言語化して他人に伝達したり、他人が理解できるかどうかは別」というようなことは森博嗣氏の作品にあった言葉だと思う。前作は比較的ミステリっぽかったけど、動機や成り行きがとにかく壊れているからミステリとして楽しめる領域はもう通り越しているよな……。

雰囲気的にはまだ続くんだけど、実際、読者をどういうカタルシスに導いてくれるのだろうか。電撃文庫のメイン・ターゲットはハイティーンだと思うんだけど、いたいけな青少年を絶望しっぱなしで終わらせるのはよくないと思うよ(笑)。30すぎのオヤジはいいとしてさぁ。

投稿者 ogre : 2008年3月 4日 23:32



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