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2007
10 11(木)

2007年秋期新番組(主にオタ)レビュー(そのいち)

[ 二次元娯楽:映漫アニゲー]

とにかく数が多いので撮るだけ撮って見てないのは大分あるんだけど、これまでに観た一週目放送分についてまずは感想など。

●ULTRASEVEN X公式サイト
アニメじゃないけど。
ウルトラセブン放映から40周年を記念して製作されている作品。
実相寺監督の映像作品としてのクオリティが評価されることも多いウルトラセブンを多分に意識してつくられていることがよくわかる。夜のシーンのみで構成されており、実相寺監督的な歪んだ構図などを積極的に取り入れている。
ちょっと未来の東京?が舞台。主人公はなぜか記憶喪失になっているエージェントで、地球に潜入したエイリアンを抹殺する秘密組織のメンバーらしい。謎の女のコンタクトを受け、時にはエージェントとして、時には赤い巨人となって戦う……ということらしいのだが。
まぁー「ヒドゥン」みたいな着想もいいし、絵に凝っているのもいいんだけど、いかんせん出演俳優の最低限に文化的なレベルの演技がすべてを台無しに。そして輪をかけて脚本がオカシイ。こっそり地球に浸透した宇宙人が、いざ決起と言うときに巨大怪獣(?)で街を破壊しだす?しかも破壊の仕方がスゲェ地味。なんか小ぶりな元気玉みたいなものでビルを一つ一つチマチマと壊す。お前がその巨体でボディ・プレスかました方が早いんじゃない?みたいな。
戦闘シーンの演出も最低だ。人間・宇宙人が、香港映画まがいのカンフーアクションで戦い、光線銃で撃ち合う。なんかこう、「いつのまにかジットリと侵略されている」的な気持ち悪さを一発で粉砕。要するに「マトリックス」がしたかったんだね?というのが結論か。あとね、ブレードランナー。
怪獣とセブン?の戦いも、力業ではなく華麗なる技のぶつかり合い。最近の流行っちゃぁそうなんだろうけど、なんかこう、「巨人のぶつかり合い」みたいな重量感がちっともない。巨大怪獣がムーン・サルトだすのにワイヤーで吊るくらいなら、単純な殴り合いの構図の方が良かった。
とにかくもうメチャメチャだ。もう観ない。


●ナイトウィザード公式ページ
菊地たけしとF.E.A.RがつくったTTRPGのアニメ化なんだそうな。しばらくTTRPGからは遠ざかっているから、最近のムーブメントは全然わっからんのでなぁ……。菊地たけしとF.E.A.R、が、まだ活動しているとは知らなんだ。
日常の背後に異世界バトルが繰り広げられていて、そこで戦う「選ばれた戦士」的な連中のバトルに巻き込まれ型に引きずり込まれる、という、これだけ言うと、マニアなら五個か十個は類似の作品を引っ張ってこれるだろう、という感じの展開だ。きくたけ氏はリプレイしか書いていないと思うので、アニメオリジナルストーリーなのだろうか。
準主役級の男性キャラの声優さんがちょっとアレかなぁ。
演出がイマイチ決まってないというかハマってない感じで、展開に無茶な感じがするというか、盛り上がりに欠けるというか。なんなんだろう、この薄さというか……。

ナイトウィザード (ログイン・テーブルトークRPGシリーズ)
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●ガンダム00(ダブルオー)公式サイト
「強大な軍事力を持った第三勢力が、その力を抑止力として世界から戦争を無くす」というのは、つまり、早い話が“沈黙の艦隊”ではなかろうか。
冒頭、メックウォリアーかウォーカーマシンか、というレトロなロボが歩き回った時にはどーなることかと思ったけど、技術の進歩?に伴って普通の二足歩行型「モビルスーツ」が出てくるにいたってようやくガンダム風に。んー、ということは、この物語中の「ガンダム」はトンでもないオーバーテクノロジーということで、そのあたりがカギになりそうだ。
ミノフスキークラフトのような技術でブンブン飛び回り(ご丁寧に電波障害も発生する)、強力なビームで的を粉砕する。哲学めいた言葉をブツブツと口にするパイロットの少年〜青年達は、Wから種へ至るルートの上にある(しかも(?)高河ゆんデザインだ)。少年、陽気、クール、メガネと取りそろえております。あー、指揮官?のおねーさんはミサトさんだろうな、やっぱり。酒呑んでるし。
クオリティという点では凡百の深夜アニメに比べるべくもない。金があるところは違うのぉ。
監督が水島精二氏というのも安心できるので、ま、いまのところ続けて観るつもり。


●ご愁傷さま二ノ宮くん公式サイト
ラノベのアニメ化。原作は未読なのでどういうものかはわからなかったんだけど、要するに、エロエロボディの天真爛漫女の子が突然押し掛けてきて的な、まあ、ありがちな展開なのだけど、実はその女の子は「サキュバス体質」で、大の男嫌いなのだがその体質のせいで男を引き寄せてしまう、というコメディ状況。その体質に耐性があるのは主人公の二ノ宮くんだけなのだ!うーん、萌えるね(笑)
女王様気質の美人お姉様に、ツンデレほぼ確の幼なじみお嬢様も登場する(しそう)。両手以上に花のラブコメ展開、みたい。これぞ萌えアニメの王道……次から次へと萌えネタが出てくる日本の萌え業界の奥の深さをかいま見た感じだ(<大袈裟)

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●逮捕しちゃうぞ!フルスロットル公式サイト
何年ぶりかで久々のアニメ化。藤島康介氏の出世作にして、氏の「次から次へと濃いキャラを出しては収集がつかなくなってしまう」という悪癖がよく表れた作品だ(笑)。最初のテレビアニメからは十年、最後のアニメ化からも五年は経っている。エヴァと同時代なのか、と思うと感慨深い。キャラが老けたようなデザインになっている気もしてくる(笑)。
美幸がアメリカ?から帰国し、夏美は自衛隊レンジャーでの訓練から帰ってくる(しかし、レンジャーったら陸軍最強部隊で……ちょっと設定暴走気味だ(笑))。美幸と追われる訳ありの少年との出会いから物語が……という感じ。当初は、この少年がらみでストーリーが展開しそう。1クール引っ張るには辛そうだが。
「逮捕しちゃうぞ!」の見せ場はなんと言ってもカーチェイスなのだが、高速道路の描き方などがいかにも手抜きでイマイチ迫力がない。夏美が車に飛び移るシーンも、なんだか現実感がこれっぽっちもないシークエンスになってしまった。夏美たちが所属する墨東署は墨田区錦糸町あたりにある設定と思われるが、ここは僕様の地元近くでもあるので(笑)、ちょっとでも背景の書き込みが甘いと気になって仕方がない。
原作であったような、実際のディテールや配置を綿密に計算した結果ではないように見える。車の描写にリアリティがないし、成田から錦糸町方面に行く途中には、あんな不自然な高速分岐点はない。錦糸町駅前への、高速からの侵入方向は合っているんだけど(←これは細かすぎるが)。
どうでもいいが、Wikipediaの「逮捕しちゃうぞ」の項目に、墨東署の外観について「アニメ版における庁舎の外観モデルは東京都立墨東病院」と書いてあるが、これはウソ。外観については、駅前にある、みずほ銀行の入った複合ビルだ。それに、墨東病院の現在の病棟(新病棟)の開設は八年ほど前のことなので、アニメの方が古い。(だったらWikipediaを修正しろ、という感じなのだが、面倒なので……)

逮捕しちゃうぞ 1 (1)
逮捕しちゃうぞ 1 (1)
posted with amazlet on 07.10.14
藤島 康介
講談社 (1996/02)

投稿者 ogre : 2007年10月11日 20:49



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