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2007
05 22(火)

プレゼンテーションの極意:川崎和男

[ 二次元的行間之隙間:Book]

プレゼンテーションの極意
川崎 和男
ソフトバンククリエイティブ (2005/06/29)
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日本を代表するインダストリアル・デザイナである川崎和男氏の最新巻。これまでの著作に比べれば柔らかい感じがするし、まさに「極意」を伝達しようとするマニュアル本でもあるので読みやすいと思う。もっとも、本書の中で川崎氏は「プレゼンテーションのマニュアル本は数冊読んで、そのあと全てを捨てろ」と言っているくらいなので、この本を教典として崇めることは全く間違いであるのだが。(なお、この考えは「ウソツキ村の人が、ウソツキ村の人はウソしか言わない」というのと同じ矛盾を含むのだが……まあいい。)

この本で、川崎氏は、ありききたりなプレゼン、聴く者になにも感じさせないプレゼンを徹底的に批判する。それはプレゼンの内容そのものであったり、パワーポイントで作られる判で押したようなスライドだったり、真剣に向き合わない聴き手の態度だったりする。プレゼンテーションのスペシャリストである川崎氏の言葉は、時にユーモアを交えながらも、重い。そう、この本にしてからが、川崎氏が実演するプレゼンそのものなのだ。

得るものの多い書籍だが、ここに書いてあることをそのまま実践したところで川崎和男になれるわけではない。むしろ、この本の内容を、どう自分流に調理してやろうか、と意気込むくらいのものが必要だろう。

投稿者 ogre : 2007年5月22日 23:58



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