02 25(土)
さみしさの周波数:乙一
[ 二次元的行間之隙間:Book]
乙一づいてる。
作者の乙一氏についてはWikipediaが詳しいのでそちらを参照してください。
いやー、内容はともかく、この、昔の少年少女向け小説についているような挿絵はなんとかならないのかと(^^;)。悪くはないんですが、ちょっと赤面モノというかなんというか。まあ、そりゃ、角川スニーカーですけど、対象年齢を無理矢理下げるような必要ないと思うんですよね。でも、狙ってやってるんだろうなぁ。
短編集で、「未来予報 あした、晴れればいい。」「手を握る泥棒の物語」「フィルムの中の少女」「失はれた物語」。当初タイトルは「未来予報」だったので、これがカバー・ストリートいえる。
作者があとがきに曰く、始めて「頼まれて」書いた物語だったので相当苦労したとのこと。確かに、意味の分からない子どもに無理矢理説明しようとしているかのようなぎこちなさを全体的に感じる。「手を握る〜」ではそれを一番に感じた。場面場面がブツ切れになってしまって物語の流を感じられない。「フィルムの〜」は乙一氏が得意とするミステリー仕立てになっていて、しかも主人公の一人称で語られているのでそんなに違和感はない。でもミステリとしてはちょっとこじつけかなぁ、的な謎解きがある。
「失はれた〜」は、かなりかなり悲しく、怖い物語で、自分としてはこういうのは語り手に感情移入しすぎてしまってダメになってしまうので特に感想はパス。
一番気に入ったのは「未来予報」でしたが、イラストのせいかどうも子どもっぽさが出てしまっている感じがして。いや、これが作者の年齢にふさわしい真の姿なのか?と思わなくもないですが、GOTHのようなクールなイメージが失われてしまっているのがちょっと「無理矢理っぽい」。やはり人間、なかなかスタイルを曲げることはできないみたいです。
もっと上手くなると、自分のスタイルの中でいろんな「見せ方」ができるようになってくるのでしょうけど。そういう意味でも今後も期待。というかまだまだ未読の作品が沢山あるのでどんどん消化して行きましょう。
投稿者 ogre : 2006年2月25日 22:34
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