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2005
01 22(土)

英雄(HERO)

[ 銀幕是即異次元之扉:Movie&TV]

英雄 ~HERO~ スペシャルエディション

まあ良くも悪くも中国映画。なんつうかこう、今となっては「ありえねー!」と叫ばせてくれるチャウ・シンチーのなんと偉大なことか。

時は戦国時代、秦の王(後の始皇帝)の前に、その功労をもって呼び出された「無名」。(もう、この名前自体が叫びたくなってきますけど。)彼の語るお尋ね者(王の暗殺未遂者)成敗の顛末に「お前の話は嘘だ!」と断ずる王。そこから「イノセンス」の“仮想体験の迷路”もかくやという、転調してのリフレインがはじまります。

王の前10歩の位置に座る男と暗殺者の3本の武器。その二つの間の「真実」が何度も語られていくのですが、その虚構性は原色に近い色の変遷によって表現されています。でも、それってかなりあり得ない。画面中真っ赤とか真っ青になるような世界を見せつけられると、時代劇というより江戸川乱歩ばりのサイコ・サスペンスを観ている気分になってきます。物語を見せたかったのか、印象のみを与えたかったのか、ただ色だけが記憶の後味に残るだけです。

そしてまたアクションがなんとも。
剣や槍による殺陣そのものは悪くないんですが、途中で飛んだり跳ねたりするものだからスピード感がゴリゴリ削られてしまう。「マトリックス」的に編集と特殊効果の妙があればいいんですが、どちらかというとスローモーションを多用してメリハリがない。盛り上がりが無いままダラダラと続く。「ありえねー」度は極限に達しているのに叫びきれないもどかしさ。そういえばアクションシーンにつきものの、音楽やSEによる盛り上げっていうのもあまり感じなかったような。うーん、アクション技術のプロモーションビデオ…という言い方が、自分としては合っていると思います。

王が「剣」の極意から王道を悟るシーンというのも、どうにも無理矢理テーマを語っているだけなんだけど、とりあえず取って付けているだけなのでそれ以上ではなく。

なんともコメントにオチすらつけられない、そういう事でカンベンして頂きたいものなのです。

投稿者 ogre : 2005年1月22日 19:19



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